住まいは住まい手のもの
住まいは住まい手のもの

え? 違うの? と思われるでしょうか。

建築雑誌で紹介される住宅の中には、「どうやって暮らすのだろう?」と首をかしげてしまうような家もあるのです。そのような家が雑誌に取り上げられる背景を少し説明したいと思います。

建築雑誌の主な購読層は、住まい手(施主)ではなく、設計事務所のスタッフと建築学科の学生です。

このうち、設計事務所は定期購読が多いので、掲載作品が雑誌の売り上げに直接影響することは少ないといえます。売り上げを左右するのは学生や若い設計士たちです。編集者は彼らをターゲットに掲載作品を選びます。

インパクトの強い作品が雑誌の売り上げにつながるため、“エッジのきいた”あるいは“アクロバティックな”建築が取り上げられることになります。

建築家のなかには、雑誌掲載を目的にしている人や、「私の設計したものは須らく私の作品である」という考えの人もいます。その結果、見栄えを重視するあまり住み心地がないがしろにされたり、技術的に問題のある住宅がつくられることもあります。

「不便があっても、あの建築家が設計した家に住みたい」という人はそれでいい。でも、そうでない人は……。自分と家族がどんな家で暮らしたいのか、そのために誰と家づくりをしたいのか。依頼先はDiktaでなくても、設計事務所でなくてもいいのです。じっくり見極めてください。

私は「住まいは住まい手のものであり、建築家の作品発表の場ではない」と考えています。

プロポーションを整え素材の良さで勝負する。“お化粧”はそれを引き立たせる程度の簡素なものに留める。それだけで、建築は十分魅力的になると考えています。

危険なデザインは採用しません
危険なデザインは採用しません

「建築家の作品は不具合が多い」という声を時折、耳にします。悲しいことですが、見た目のために無理をして不具合を抱えている建築が存在するのも事実です。

私は、安全に、安心して暮らせることが、住宅にとって何より重要な機能だと考えます。どれほど見た目が優れていても、後に問題が生じる恐れがあるものは、採用を躊躇します。

「どうしても使いたい」とお客様から要望された場合は、そのデメリットを説明して納得いただいたうえで採用することもあります。

たとえば、豊橋の「老津の家」では、木製サッシのデメリットについて納得していただいて採用しています。

例:「老津の家」の木製サッシについて

あたりまえの家づくり
あたりまえの家づくり

「あたりまえの家づくり」を心掛けています。ではDiktaが考える「あたりまえ」とは何か。思いつくままに挙げてみます。

  • 住み心地がよい
  • 家事や仕事がしやすく、生活の流れが妨げられない
  • 家族と穏やかに暮らせる
  • 適度に散らかっていて、生活感がある
  • 好きなものに囲まれている
  • 住まい手にしっくり馴染んでいる

これらの「あたりまえ」を叶えるために、私たちはお客様の暮らしをじっくり考えます。

  • 掃除道具、どこに置く? リビングに近くてぱっと取り出せるけど目立たない場所がいいよね。
  • トースターは? レンジとジャーをどこに置こう。冷蔵庫って大きなの要る? 買い物こまめにするから小さくてもいいよね。
  • キッチンと洗濯場と物干しの動線はまとめたいよね。
  • 田んぼの景色がきれいだから、家事の手をふと休めたときに窓から見えるといいよね。

仕事、掃除、洗濯、料理、趣味、子育てなど、一つひとつに思いを巡らし、機能と要望を満たしたうえで、デザインを整えていきます。

このとき、完成時だけでなく、もっと先のイメージも思い描いています。竣工直後の家には、おろしたての学生服のようなよそよそしさもあります。それより、何年か生活して、暮らしに馴染んだ家、適度に散らかって日常の息遣いが感じられる家が、自然で温かみがあるように思えて好きです。長年暮らすうちに生じてくるキズや汚れ、古さが、家の味わいになると考えています。

(上述の「おろしたての学生服」という例えは、『建築家と建てた「小さな家」』(世界文化社)という本の「余所行きの家から普段着の家に」という章から拝借しました。同著は、建築家の中村好文さんに自宅の設計を依頼した建築ジャーナリストの鈴木紀慶さんが、その過程を丁寧に紹介した本で、私の座右の書のひとつです。家づくりを考えている方にもおすすめします。中村好文さんは私が尊敬する建築家の一人でもあります)

空間の適正ボリュームを吟味します
空間の適正ボリュームを吟味します

私にはひとつの情景があります。
それは建築家・出江寛先生の設計された住宅にお邪魔したときのことです。
通してくださったのは、3畳より少し広い程度の応接間。

小ぶりな造り付けのソファーに座り、坪庭の景色を眺めながらお茶を飲んでいると、この小さな空間が自分にしっくりと馴染む感じでまことに心地良いのです。

このとき、空間には適正なボリュームがあることを知りました。

設計の際は、スケールを吟味して、しっくりと馴染む空間ボリュームを考えています。

相談は無料、プランニングは有料
相談は無料、プランニングは有料

住宅会社の多くは「プランニング無料」としているのではないかと思いますが、Diktaではプラン作成料を頂いています。
(※プランニング:設計全体の基盤となる平面図を作成すること)

プランニングの際は、敷地や法規のチェックはもちろん、お客様の家族構成や生活パターン、要望、好みなどをじっくり吟味して、予算も考慮しながら図面を起こし、プレゼン資料を作成していきます。お客様のOKが出ればそのまま家が建つ水準のプランを準備して、プレゼンに臨みます。

プランニングはその後の家づくり全体の土台となる作業なので、多くの時間とエネルギーをかけて取り組んでいます。小さな事務所ですので、数多くこなすことはできません。Diktaとの家づくりを真剣に検討してくださる方のために全力を尽くしたい。それゆえの「プランニング有料」です。

具体的には、プランニングのお申し込み時に5万円を頂戴します(このプラン作成料は、設計契約に至ったときは設計料に充当します)。お申し込み後は、予算やご要望を伺うヒアリングを行い、それからプレゼンまで3週間ほど時間をいただきます。

なお、プランニング前の建築相談は無料で行っていますので、気軽にお申し込みください。

オープンオフィス・建築相談について

工務店の入札は行いません
工務店の入札は行いません

設計事務所との家づくりでは、基本設計がまとまった後、工務店2~3社の入札を行って(相見積もりを取って)金額を比較するケースが多いと思いますが、Diktaではこの入札を行っていません。通常は、依頼する工務店を最初から絞って設計を進めていきます。それは次のような理由からです。

実は、一般的な木造住宅の場合、入札を行ってもそれほど大きな金額差は出ません。同じレベルの工務店ならどこが施工してもだいたい同じくらいの金額になります。

工務店にとって、図面から見積もりを作成して入札に臨むのは手間がかかる作業です。それなのに、3社入札の場合、受注できるのは3件に1件程度しかありません。3分の2はいわば無駄骨に終わるわけで、その手間賃は、結局、価格に反映されることになります。

入札を行う側にとっても、複数の工務店に手配し、見積書を比較して1社に絞るのは、かなりの労力を要する作業です。

複雑な形状、高額な仕様、混構造など、特殊な事情が多いケースでは入札のほうがふさわしいこともありますが、それ以外の一般的な住宅の場合は、信頼できる工務店を最初から選んで「お願いします」というほうが、工務店さんも気持ちよく仕事をしてくれます。結果的に、余分な手間とコストをかけることなく、職人さんの手仕事がふんだんに施された、いい家ができると私たちは考えています。

設計依頼をお断りすることも
設計依頼をお断りすることも

どれほど「Diktaが良い」と感じていただけたとしても、お客様のメリットが少ないと感じるときは依頼をお断りすることがあります。

たとえば、ハウスメーカーの家づくりが合っている方が、設計料を支払ってまで私たちに依頼するのはもったいないことです。

また、予算や敷地などの条件によっては、設計料に見合うだけの満足をご提供できないと判断することもあります。その場合は、設計料分の予算を、他の部分(材料費、職人さんの工賃、将来のメンテナンスに備えた貯金など)に回すほうが、いい家づくりができます。

お客様に喜んでもらって、「頑張りました! 設計料ください!」と胸を張って言える仕事をしたいと思っています。

打ち合わせと現場を大切にしています
打ち合わせと現場を大切にしています

どの家づくりもお客様ならではの想いと事情があります。それらを一軒の家に落とし込んでいくのが設計という作業です。そのためには、お客様とたくさん顔を合わせて何度も打ち合わせする必要があります。

自分のイメージや要望をうまく言葉にして伝えるのは、なかなか難しいものです。お互いに、わかったつもりでずれている場合があります。何度も話し合っているうちに、漠然としていたイメージがはっきりしてきたり、当初と異なる要望が浮かんでくることも少なくありません。私たちは、時間をかけて打ち合わせを重ねることで、お客様のほんとうの想いを形にしていきます。

お客様とだけでなく、工事が始まると工務店とも頻繁に打ち合わせします。同じ図面でも、工務店によって、また監督によって、できあがるものは違います(これは、同じ楽譜でも指揮者や奏者によって違った演奏になることとよく似ているかもしれません)。図面はすべてを伝えてくれるものではないので、設計者ができるだけ多く現場に足を運び、監督や職人と打ち合わせを重ねて設計意図を伝達する必要があるわけです。Diktaでは、頻繁な打ち合わせも厭わない信頼のおける工務店さんとチームを組んで、家づくりに取り組んでいます。

また、ゼロからつくりあげる家づくりでは、大なり小なりミスも起こります。たとえば

  • できると見込んで説明したことが、よく調べてみたらできなかった
  • 想像以上の費用が必要だった
  • 設計図の方法では後に問題が発生する可能性がある
  • 図面間に食い違いがある

など……。このような場合は、間違いを正直に報告し、善後策を相談します。

設計から施工まですべてのプロセスに私たちが関わりますので、同時に進められる数は限られます。よくやったとしても年4棟が精一杯です。だからこそ、悔いを残したくありません。お客様はもちろん、私たち自身も納得できる家をつくるため、打ち合わせと現場を大切にしています。

豊橋、豊川、蒲郡、岡崎、豊田、設計事務所と創る注文住宅|有限会社 ディクタ建築事務所

有限会社 ディクタ建築事務所 / Dikta architects office

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