デザインだけでない庇や軒

2021-06-11 · 家づくり考・建築メモ

南側に庇や軒、持出のバルコニーが設けてあるお住まいが多いのは、デザイン面だけではなく太陽光をコントロールする目的もあります。



太陽高度は春分・秋分では 90°-緯度 で、夏至はそれに+23.4°、冬至は-23.4°で求められます。
豊橋の場合、緯度が34.76°ですので、春分・秋分では 55.2°、夏至は 78.6°、冬至は 31.8°となります。

青い線が冬の場合です。
建物の奥まで光が届いているのが分かります。部屋の奥のほうまで明るく、暖かく柔らかい光で室内が快適です。

赤い線が夏の場合です。
ギラギラした強い陽射しは眩しすぎたり暑すぎるので室内には取り込みたくないですし、フローリングの日焼けの面からも避けたいところです。
庇によって夏の光は直接届かないことが分かります。

実際には光はあらゆる方向から回り込むので、真っ暗ということもありません。


屋根や庇を設けることは、夏には余分な熱を取り込まないように、冬には逆に明るさや暖かさを得られることに繋がります。

カーテンやブラインドでの日射コントロールもできますが、窓際室内に僅かであっても日射を取り込んだ後の対策になるので、庇などで日射を遮るほうが効果的です。

梅雨時で雨が多い場合でも、風がなければ窓を開けて換気ができるのも魅力です。

当たり前に目にするものの効果を考えるもの面白いものです。



2021.06.11 栗山祐子

 

「三方原の家(浜松市)」竣工写真と作品の紹介をしています。
https://www.dikta.jp/work-detail.html?id=78



 

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