家づくりの中で、ちょっと特別な瞬間があります。
それは、床や建具などを保護していた「養生」が外れるとき。
これまで養生シートに隠れていた部分がようやく姿を現し、家が“一気に完成のフェーズ”へと進みます。
豊川市「二見町の家」も、その瞬間を迎えました。
この家の床には、チークの無垢フローリングを使用しています。
一枚ごとに木目の表情が異なり、自然な濃淡も魅力です。
“工場でラミネートした”ような均一な仕上がりではなく、
素足で歩くと、ほんのりとあたたかく、それでいてしっかりとした安心感があります。
この床の上で、毎日どんなふうに暮らすのか――
想像するだけで、楽しい気持ちになります。
実はこのチーク材、萩森建設の社長さんが木材問屋の即売会で見つけた、いわば“掘り出し物”。
さっそくお客様にご相談したところ、「ぜひに」と即決いただきました。
当初はオーク材でご予算を組んでいましたが、同じご予算のままで、
これほど上質な無垢材が使えたのは、まさに幸運だったと思います。
床だけでなく、天井にも木材を使用しています。
目線の高さだけでなく、ふと見上げたときにも“あたたかさ”を感じられるように。
また、壁には調湿性の高い珪藻土を採用。
空気がこもりにくく、季節を問わず気持ちよく過ごせる室内環境を目指しました。
写真手前の土間スペースから、奥のリビングへと自然につながるこの空間は、
日本らしさをほんのり残しつつ、現代の暮らしにもなじむように設計しています。
「二見町の家」は、まもなく完成です。