豊川市「二見町の家」 竣工しました。
赤錆色のような深みのある茶褐色が、周囲の景色にやさしくなじんでいます。
住まいの顔となる玄関は、レッドシダーの木製ドアで製作。訪れる人を、あたたかく迎えてくれます。
美しい木目の天井とチークのフローリングが広がる、明るく開放的な玄関ホール。外と内との切り替えを、静かに演出しています。
正面には存在感のある引き戸が設けられ、空間のアクセントに。その先には、奥のリビング空間が広がっています。
壁の伸縮式照明が、ほどよいリズムと陰影をつくり出してくれます。
木の温もりが心地よい、シンプルで開放的なLDK空間。
床・天井・収納に無垢材を使い、やさしい風合いで空間を包んでいます。
キッチンは木目を基調としたデザインで、リビングダイニングとの一体感を高めています。
壁には飾り棚を設けて、お気に入りの雑貨や植物を飾って楽しめます。
窓から入る自然光と照明の工夫で、時間帯によって表情が変わります。住まいの中心となる心地よい場所です。
キッチンの横には、使いやすさを考えたパントリーを。LDKとつながる動線で、日々の家事もスムーズにこなせます。
寝室はタタミ敷きの落ち着いた空間。
収納力のあるクローゼットもあり、衣類や寝具をすっきりと収められます。
寝室の奥には、階段下を活かした「ヌック」を設けました。
ちょっとした隠れ家のようなこの場所では、読書をしたり、趣味に没頭したり、静かに過ごしたり…気ままな時間を楽しめる空間です。
洗面脱衣室は、大きな窓から光がたっぷり入り、明るくて清潔感のある空間に。
室内物干し用のバーも設置して、家事のしやすさにも配慮しています。
カウンター収納には、トイレットペーパーや掃除道具などをすっきり収納。見た目も使い勝手も◎です。
照明は「なるべくダウンライトを使わずに」とのご希望を受けて、間接照明とブラケットを組み合わせました。
天井の美しさが引き立つ、やわらかな明かりの空間になりました。
LDKから続く木の天井が、この空間にもつながりを感じさせてくれて、あたたかな雰囲気をつくっています。
しっかり踊り場を設けて安全にも配慮しながら、上り下りが気持ちよくなるような設計です。
手になじむ無垢の木製手すりも、ふたつ並んだ球形の照明も、ちょっとしたかわいらしさを添えてくれています。
将来、子ども部屋として使うことを想定したフリースペースは、2部屋にも3部屋にも対応できるよう、柔軟な計画としています。
お仕事の異動などで、暮らしのリズムが変わりやすいご家族。
そんな日々の中でも、家ではほっとひと息つけるような、落ち着いた時間を大切にしたい——
そんな想いから、この家づくりが始まりました。
慌ただしい毎日だからこそ、
心を整えたり、家族と穏やかな時間を過ごしたりすることを大切に。
暮らしの変化やお子さんの成長にも、ゆるやかに寄り添えるように。
「静かな余白」を大切にした住まいになっています。
日々が少しずつ移り変わっていっても、
変わらず、そこにあり続ける家の存在——そんな価値を大切にしました。
師匠・出江寛先生の言葉に、こんな一節があります。
「建築は、人の幸せのためにある」
この家も、そんな“幸せのための家”になってくれたらと願っています。
この度は、竣工おめでとうございます。